ページ

2015年3月31日火曜日

ブラックナイト

ボークス IMS 1/100 バッシュ ザ ブラックナイトを製作しました。

小さいころから、「ファイブスターストーリーズ」という漫画に登場する
「モーターヘッド」というロボットが大好きでした。
このロボットはモーターヘッドの中でも、
漫画冒頭から登場する人気の高いロボットで、何度も
立体化されています。

モーターヘッドの魅力は、装甲を構成する曲面の複雑さにあると思います。
モーターヘッドの立体のほとんどは、原型師によるガレージキットでした。
ガレージキットは、通常のプラモデルに比べ高額で、完成には
一定のスキルをユーザーに要求します。

しかし、ボークスはプラキットとして、この
バッシュ ザ ブラックナイトを2011年に発売しました。
ガンダムや組み立て玩具の様に多色整形されたパーツ分割は、
塗装をしなくても、多少器用な方なら、ブラックナイトを劇中で活躍する
姿に近い形で組み立てる事ができます。

このIMSと呼ばれるプラキットのシリーズは、
原型師の手によるガレージキットを、デジタルデータとしてスキャンし、
CADによる設計とアナログによる造形というプロセスを行き来して
作られています。

IMSは、ガレージキットには無い、ポリキャップを仕込んだ間接を
備えていて、好みのポーズを取らせて楽しむことができます。
一方で、間接の保持力は、本体の重みに負けて、転倒しやすい
印象を受けました。各部の作りも繊細で、注意を要します。

脇から肘へと繋がるチューブはポリキャップと同じランナーで、
腕の可動に合わせて曲がります。また、肩と腰のスカートの様な
装甲も、裏から同様の素材のパーツで纏められ、柔軟性を持っています。

盛り上がりが特徴的な両肩は、内部には折りたたまれた
副腕があり、装甲は副腕によって支持されています。副腕を持つモーターヘッドは珍しくなく、
このキットはその物語上の設定も見えない場所で再現をしています。

装甲の厚さを感じさせる、奥まった目です。この目も組み立ての際は周りと別パーツになっていて、
筆による塗装をし易くする配慮がされています。

肩甲骨の様な背中の装甲と、力を感じさせる背骨のそりは
モーターヘッドならではのこだわりを感じさせます。

ハイヒールの様な高い踵の足回りです。足首のポリキャップは
保持力が弱く、注意をしないとここから姿勢が崩れ
転倒してしまいます。

キットには長剣が二本、短剣が一本、シールドが付属します。
シールドの裏には短剣をマウントすることが出来ます。
盾は前後で二重のパーツになっており、勾玉模様と赤い放射状の模様は
裏面の部品をアバウトに塗り、表面のパーツにはめ込むだけで、
それらしく再現されます。

ガレージキットでは、こうした塗りわけ箇所は一体成型なので、マスキングの手間が必要です。


ブラックナイトの「黒」は、銃器の表面を覆うような、酸化による青みのかかった
黒なので、大量のブルーパールを混ぜたブラックで何度も塗り重ねをしました。

また、装甲の隙間から見える、インナーフレームも各部位で
金属色を変えました。説明書による
各部位の色指定はアバウトな指示なので、自身の好みで
仕上げるのが良いのではないでしょうか。

キットを作る上で特に注意する点としては、各部品の精度が全体的に悪く、
エッジに沿って走るパーティングラインを消すのに苦労が必要だということです。
また、各パーツの肉厚も非常に厚く、ヒケが深く発生しています。
加えて、勘合の箇所が極端にゆるかったり、逆にきつくて所定の位置まで刺さらなかったりと、
とても五年以内に発売された国内メーカーのキットとは思えない箇所があります。

ブラックナイトはIMSシリーズでは第二弾にあたり、2015年3月現在で第七弾が
発売され、僅かずつではありますが、精度があがりつつある印象が
あります。しかし、同時に部品も増え、くみ上げにかかる労力は改善しません。


ボークスのバッシュ ザ ブラックナイト、いかがだったでしょうか。
パーツ数も多く、塗装をするとなると手間のかかるキットですが、
モーターヘッドを作りたいけれど、ガレージキットは敷居が高くて
手が出せないという方にお薦めするプラモデルだと感じました。

0 件のコメント :

コメントを投稿